桜花往生

kanayano版日本近代史。

2012/04/05(Thu)

【登場人物紹介】吉岡輝也

登場人物紹介輝也.

吉岡 輝也(よしおか こうや)

1902(明治35)生~

 黒澤修吾、吉岡らくの長男。幼少時、らくの暴力により、視力を失った。
 5歳のころから才神アキにより妓楽(唄詠、歌舞等)の英才教育を施され、上海・湖南楼の「看板娘」として日中双方の大物より寵愛を受けた。中国名は「仙輝煌」。湖南楼の得意客である梁文秀に片思いをしていた。時の民国政府と日本政府の裏取引の対価として来日。輝也は白河川修の下、陸軍士官としての教育を受けることになった。
 共に白河川の下で暮らすことになった桂木拓真の義兄。来日するまでは盲目で、常識や人間関係を築くことに長じていなかったが、拓真と暮らすうちに、徐々にそれらを身につけていくことになった。
 孝子とは陸軍幼年・士官学校の同期。孝子の正体を知る唯一の同期として、いろいろを世話を焼いている。(ちなみに孝子はそのことを知らない)

 元来の世話焼き。「面倒くさい」といいつつ、実際に面倒が起きることはもっと嫌なので、表に出る前に片づけてしまうタイプ。湖南楼を取り仕切ったのは母親が正気ではないと理解していた息子の姿であり、雄一郎を何かと庇うのは、それができるのは自分しかいないとわかっているから。裏工作が得意そう。
「家族」というものには敏感かもしれない。輝也のなかで家族とは拓真のことであり、母楽弥、父黒澤のことでは断じてない。父については(大人になってから一定の理解はするものの)それこそ「生理的に無理」な状態になっている。母親のことは救ってやりたいけれど、自分には何もできないことを理解しているので、結果的に母を救ってやれる人間の手助けをするという役に回っている。

【作者雑感】
なにがどうしてこうなったのか一番わからない子。
かすかに覚えているのは、「吉岡」はそのとき大河ドラマ「武蔵」に出てきた吉岡道場の名前から取った気がする。桔華・拓真軍営の対抗馬として敵キャラ筆頭だったはずが、今となっては、もはや作中無双状態の久坂廣枝に人知れず立ち向かっている唯一の頑張り屋さんになっているのはいったいなぜなんだろう。
「もともと女」の設定もどこから来たのやら。たぶんそのころ「人間と動物の違いが感情で、それは本能と結びつかないものだとしたら、その最たるものが『愛情』で、本能として異性を愛すること(直接生殖活動につながるもの)に限定されることはないんじゃないだろーか」みたいなことを考えていた時期があったので、たぶんそれに由来しているんじゃないだろうか。つまりね、「好き」の相手が同性でもいいじゃない、それがあなたの本心なら、みたいなのを人生で初めて真剣に考えて、肯定的に捉えていたのだと思う。いろんなものを見聞きした高校3年の時だ。
気が付けば「女として生まれて男として生きることを選んだ」孝子と、「男として生まれながらも、女として生きることを強要された」輝也という面白い対比ができて、桜花の世界観が二乗くらいの勢いでどーんと広がった、よーな気がする。

歴史を俯瞰して人間には3つの種類がいる。

1、時代を動かす人。
2、そのきっかけになる人。
3、それを見届ける人。

輝也は3。古巻と同じ、「見届けるもの」。
その人に与えられた役割は、その人間が好むと好まざるとには著しく関わらないと作者は思っている。

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作者


Author:kanayano
16歳の時に書いた脚本のエチュードを書き連ねています。
かなやのぶ太名義、私生活ブログはこちら

最新記事

目次

※カテゴリは話数降順に並べておりますので、こちらから入っていただければスクロールでご覧いただけます。

■1、発芽―grow out― (65)
1、最後の恋人 (4)
2、北条古巻 (16)
3、少年と少女 (1)
4、はじまりの業火 (15)
5、月下の惨劇 (1)
6、「傾城傾国」 (28)
■2、着蕾―The bud― (54)
1、孝子、決別 (8)
2、青 (1)
3、吉岡輝也の憂鬱 (20)
4、田園都市、春 (18)
5、大陸の覇者※連載中 (7)
■ 番外『陸奥湾を抱く街』 (59)
1、明治37年、最上桔華 (8)
2、わたしの祖国 (11)
3、陸奥湾を抱く街 (9)
4、祭りのあとに (12)
5、裏切りの祖国 (13)
6、「いのち」 (6)
■番外『仮宿の楔』 (16)
1、奇人二人 (7)
2、「めらんこりあ」※連載中 (9)
読者様から頂いたイラスト (11)
from kanayano (9)

「本編」これまでのお話


<「5、大陸の覇者」登場人物>

伊藤 翔
21歳。幼いころに大陸に移住し、10歳の時に馬賊に家族を殺され、連れ去られた。18歳の時に家族の敵の一族を惨殺。現在は牢屋に投獄されている。支那名は梁文山(リャンウェンシャン)。
梁 生高(リャン シャンカオ)
38歳。父親は馬賊の統率者である「当家」梁続山。3年前、翔に父、母、弟を殺された。現在は周辺の「当家」を束ねる「攬把」。
李 爛華(リ ランホア)
23歳。村の青年。当家の一人。翔が村に連れてこられたころからの友人。
楊 和(ヤン フー)
18歳。字は子杏。爛華と同じく、翔を幼いころから知っており、獄中の彼の世話をしている。未亡人。

■「2、着蕾
大正4(1916)年。火事の中で記憶を失った弟・拓真の力になりたいと、自らも陸軍士官となることを決意した舎人孝子。日清両国の裏取引の対価として来日した吉岡輝也もまた、自らの庇護者である陸軍大将白河川修の計らいで、士官学校に入学する。奇しくも、士官学校予科では性別を偽って入学した孝子――雄一郎と名乗る――と同期であった。(1、孝子、決別
大陸進出を目論む帝国陸軍大佐久坂廣枝と、上海で裏を取り仕切る輝也の母親・仙楽弥が手を組んだ。楽弥の店で働く芸妓、宿禰緑子は、拓真と出会う。緑子は拓真に「また会いましょう」と告げて、その場を後にする。(3、吉岡輝也の憂鬱
大正9(1920)年。当代の人気歌人である最上桜花の下で暮らしている北条古巻。父親の愛人でもある桜花に、素直になれずとも平穏な日々を暮していた。身一つで転がり込んできた朝倉千鶴、桜花が朝鮮人街で助けた孫秀英。桜花と古巻の暮らしにも、新たな仲間が加わった。(4、田園都市、春

「番外」これまでのおはなし


2、「めらんこりあ」 登場人物>

舎人 耕三郎
陸軍大尉。27歳。
北条 古月
会社社長。26歳。会社の規模を大きくすべく、奔走している。
山方 明恵
16歳。美人だがめっぽう弁が立ち、家族から「奇人」と呼ばれている。そのせいで家を出た。
北条 篠
古月の妻。21歳。
北条 由枝
古月・篠の娘。4歳。

■「番外『仮宿の楔』
明治34年、東京。近衛師団に所属する舎人耕三郎大尉は、師団長・白河川修の来訪とともに、自分を訪ねる女の存在を知る。耕三郎を出せと叫ぶ女。そこに、耕三郎を知る商人、北条古月が通りかかる。女に帰れと宣う耕三郎。古月は女――山方朝重を連れて、一先ずその場を退いた。(1、奇人二人

おことわり

※当作品は物語のモチーフを実在の事件、人物に依拠していますが、事実関係は一切ございません。

※一部に暴力、流血、性的表現を伴う記事がございます。記事冒頭に注意書きを添えてありますので、閲覧の際にはご注意ください。

※本文中で中国語、ハングル、英語等の表現がありますが、作者の過小な語学力で作成しているため、ネイティブのものとは大きく異なる場合があります。ご了承ください。

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皇国の黒鷲

黒澤修吾の孫であり、吉岡輝也の甥にあたる、黒澤一臣総理が担う平成日本のかたちとは。緒方順様と共同制作です。