登場人物紹介

主要人物にはリンクを貼っています。(少しネタバレします)

和泉 桔華(いずみ きっか)1905(明治38)生~
 第39代最上桜花と、中国系朝鮮人柳承俊の娘。桜花が全国放浪中に仙台で柳と知り合い、青森で桔華を出産。しかし桜花が桔華を、そこで知り合った和泉晴子に預けて失踪したため、晴子に育てられた。自分が朝鮮の血を受け継いでいるということを自覚しているが、天真爛漫で怖いもの無し、幼少期より実家にあった雑誌や歌集を読み漁り、自分でも発句。母と知らずに最上桜花を師として敬愛している。

舎人・桂木 拓真(とねり・かつらぎ たくま)1904(明治37)生~
 舎人耕三郎と朝江の長男。孝子の弟。北条古巻と親友。優秀だが気性がやさしく、嘱望されている陸軍士官にはなりたくないと思っていた。1915年3月に実家が炎上、そのとき自分を庇って重傷を負った姉に強い負い目を感じ、意識障害となった。再び目覚めた拓真はそれまでの記憶をすべて無くし、父・耕三郎の師である白河川修の庇護の下、「桂木」の性を与えられ、同時期に白河川に引き取られた吉岡輝也と兄弟となり、陸軍士官への道を歩み始める。

舎人 孝子・雄一郎(とねり こうこ・ゆういちろう)1902(明治35)生~
 耕三郎と朝江の長女。拓真の姉。
 亡くなった母親に「長女として、父を助け、弟を立てなさい」と遺言され、それを愚直に守ろうとする。頑固な面を持っており、弟、拓真が「軍人ではなく 天文学者になりたい」と告白したときに、その願いを却下した。1915年3月、舎人家が原因不明の炎上。その中で北条家の使用人、檜山に命を狙われ、弟を庇って被弾する。一命を取り留めるが、世間には「孝子は死んだ」こととして、以後、男として生きることを決意。陸軍士官への道を歩む。
 吉岡輝也とは士官学校の同期。

北条 古巻(きたじょう こまき)1904(明治38)生~
 北条古月・篠の長男。北条桜花は大祖母。舎人拓真、孝子姉弟と親しい。母・篠の自殺後、古月の知り合いである桔華(桜花)のもとに預けられている。
 1915年、曾祖母、先代北条桜花の葬儀のために帰京。拓真と孝子への想いを再確認するが、舎人家が謎の炎上。2人の生死が不明となり、絶望する。

仙 輝煌・吉岡 輝也(チャン フィファン・よしおか こうや)1902(明治35)生~
 黒澤修吾、吉岡らくの長男。幼少時、らくの暴力により、視力を失った。
 5歳のころから才神アキにより妓楽の英才教育を施され、上海・湖南楼の「看板娘」として日中双方の大物より寵愛を受けた。自分を女だと自覚し、湖南楼の得意客である梁文秀に片思いをしていた。1915年、時の民国政府と帝国政府の裏取引の対価として来日。輝也は白河川修の下、陸軍士官としての教育を受けることになった。
 共に白河川の下で暮らすことになった桂木拓真の義兄。孝子とは陸軍幼年・士官学校の同期。孝子の正体を知る唯一の同期として、いろいろを世話を焼いている。

伊藤 翔・梁 文山(いとう かける・リャン ウェンシャン)1896(明治29)生~
 伊藤侯爵家、喜代治の二男。兄と妹がいる。5歳の時から長春に住んでいたが、10歳の時に梁続山率いる馬賊に襲われ、兄嫁以外の家族を惨殺されてしまった。翔と兄嫁は、馬賊の村に連れ去られ、翔は“文山”と名を与えられ、村の戦闘部隊として日本などと闘うようになった。当家に連れられて上海・湖南楼で吉岡輝也と知り合い、反発しあうも次第に打ち解けあう。1915年、狂乱した翔は村を統治していた当家一家5名を殺害。罪人として村の牢に監禁されている。



舎人 耕三郎(とねり こうさぶろう)1874(明治6)生~
 祖父は禁裏侍従の家柄だが、日和見の一族に見切りをつけ、単身士官学校に入学。任官後は情報将校として大陸中心に活動している。黒澤の上官であり、らくの想い人。妻は朝江、長女は孝子、長男は拓真。北条古月とは古い友人。白河川の思想に同意し、彼の計画のために奔走している。

舎人 朝江(とねり ともえ)1880(明治12年)生~1904(明治37)没
 陸軍元帥山川卿分家の3女。実家からは奇人として勘当されるが、耕三郎と出会い、結婚。孝子、拓真の2子を出産。拓真を出産間もなく死亡する。

北条 古月(きたじょう こづき)1875(明治7)生~
 北条家は元武家だが、維新後に没落。古月は豆腐屋奉公から会社を立ち上げ、一代で海運財閥を興した立役者。大陸を放浪していた時期に舎人耕三郎と出会う。妻は京都の有名呉服問屋の娘、篠。古月が会社の資金繰りに困窮しているときに知り合いが世話をした政略結婚だったが、古月にはいとこの最上桔華という愛人がいると知りながらも、妻・篠は古月に献身的につくした。長女・ゆゑ、長男・古巻。
 日清戦争中に耕三郎と出会い、日本の将来について『理想』を共有していたが、彼がイギリスで久坂廣枝と出会うことにより、お互いの考えにすれ違いが出始める。北条はイギリスの販路拡大時に世話になった久坂側に付くことを決意する。

北条 篠(きたじょう しの)1880(明治12)生~1909(明治42)没
 古月の妻。京都の有名呉服店から傾きかけた北条家に嫁いだ。ゆゑ、古巻の母。1909年に竹藪で首をつった。理由は不明。

北条 ゆゑ(きたじょう ゆゑ)1898(明治32)生~
 古巻の姉。のちに海軍士官藤原一春と結婚する。

檜山(ひやま)生年不詳
 古月の秘書兼使用人。古月曰く、「上海で知り合った」とのこと。篠の自殺に何か関係しているのではないかと舎人耕三郎は思っている。 1915年3月の舎人家の炎上時、燃え盛る室内で姉弟の命を狙った。真意は不明。

白河川  修(しらがわ しゅう)1851(嘉永4)生~
 陸軍元帥。木戸孝允を師と仰ぎ、維新後は陸軍創設に尽力した。妻はイギリス人だが32歳で早世。戊辰戦争のときに左肩を負傷した。現在は退役。
 徹底した軍縮論者であり、日露戦以降の軍部の拡大傾向に危機感を持ち、政府高官を通じて軍縮へ誘導しようとしている。その先兵として舎人耕三郎が活躍している。
 1915年、帝国政府と民国政府の非公式取引に関わり、民国政府より湖南楼の妓女・吉岡輝也を預かることになった。事件に巻き込まれ、記憶を失った舎人拓真を引き取り、二人を兄弟として養育することになった。

山城 眞子(やましろ まこ)1853(嘉永6)生~
 戊辰戦争では幕府軍に従軍。維新後に夫が警察官となり、その伝手で白河川と知り合う。白河川の身の回りの世話、及び秘書的な役割を担っている。

黒澤 修吾(くろさわ しゅうご)1879(明治11)生~
 情報将校として上海を中心に活動。学生時代に白河川修に見出される。らくと結婚し、長男輝也が生まれるが、直後にらくは輝也を連れて失踪する。
 黒澤は1903年に華族の娘と結婚しており、現在の妻との間に2男児がいる。1915年に元妻、らく・息子輝也と再会。輝也は白河川に引き取られる。

仙 楽弥・吉岡 らく(チャン ルーユィエ・よしおか らく)1884(明治16)生~
 上海生まれ。花街で下働きをしていた6歳の時、日本人の吉岡夫妻に養子として迎えられ来日。9歳のときに夫妻は死亡、吉原に身を寄せる。17歳の時に黒澤修吾、舎人耕三郎と出会う。翌年、黒澤と結婚、長男輝也を出産。しかしらくは耕三郎への思慕のあまり精神を病んでしまう。1902年、長男輝也を連れて上海へ渡る。親子は「湖南楼」の女将、才神アキの下に身を寄せた。
 らくは二つの人格をもち、気弱で黒澤を慕う「らく」と、耕三郎を慕うあまり自分を奪った黒澤を心底憎んでいる「楽弥」。息子・輝也はそのほとんどを「楽弥」とともに過ごしており、父・黒澤修吾のことを憎んでいる。楽弥は日中両国の政府の要人とつながりを持ち、双方の情報を得つつ、自らの利を得ようとする。 

北条  廉(38代目桜花)(きたじょう れん)1829(文政12)生~1915年(大正4)没
 藤原分家の橘氏を祖とする、「桜花流」の継承者。「桜花」は江戸時代に一時衰退を見せたが、明治期に入り、廉が再復興させた。北条古月、最上桔華の祖母に当たる。桔華に次代を継承した。1915年没。

最上 桔華(39代目桜花)(もがみ きっか)1878(明治10)生~
 廉の孫娘。廉の息子には三人の娘(八重、玉津、朔子)がいるが、末子の桔華は廉の息子と最上家の使用人だった女との間に生まれた。
 十歳の頃より、祖母廉のもとで短歌を学び始める。先代桜花(廉)より称号を継承する際、放浪の旅に出ているが、仙台で朝鮮人の柳 承俊と結ばれ、青森で女児を出産。桔華は現地で知り合った和泉晴子に子供を託し、再び放浪の旅に出た。
 いとこである北条古月とは許されぬ恋仲だった。承俊とも生き別れ、十年ぶりに帰京した際、古月の妻・篠が自殺。篠の自殺も自らの科と考え、古月との永遠の別れを心に決めたが、彼の息子、古巻を預かることになった。

最上 八重(もがみ やえ)1868(明治元)生~
 廉の孫で、桔華の4姉妹の長女。
 
最上 玉津(もがみ たまつ)1872(明治6)生~
 桔華の4姉妹の二女。現在婿養子をもらい、長男がいる。最上家の中では比較的桔華に理解がある。祖母の影響で短歌を詠む。その腕前は上々。

最上 朔子(もがみ さくこ)1878(明治10)生~
 桔華の4姉妹の3女。つかみどころのない性格で、ふらりと現れて古月を誘惑したりする。
 今でも桔華を思い続けている古月に、「あの女はあんた以外の男との間に一女をもうけている」と告げる。



藤原 一美(ふじわら かずみ)1869(明治2)生~
 帝国海軍将校。軍拡派の一人で、久坂と意気投合し、内外で画策を続けている。長男、一春は北条家長女、ゆゑと結婚。婿養子となる。

藤原 一春(ふじわら かずはる)1896(明治30)生~
 藤原一美の長男。1914年に海軍兵学校を卒業した。ゆゑと結婚し、北条家の婿養子に。孝子が想いを寄せている。
 白河川修と出会ったことにより、父とその周囲に疑問を持ち、ひそかに行動を開始する。

久坂 廣枝(くさか ひろえ)1875(明治7)生~
 帝国陸軍将校。軍拡派の一人。有能で人望が厚い。北条古月の販路拡大をイギリスで助けたこともあり、旧知。舎人耕三郎とは陸士・陸大ともに同期だが、並みならぬ劣等感を抱いている。妻との間に二女。
 美しいものを溺愛し、湖南楼の妓女、輝煌を好んで抱いた。表向きの顔と別に心の底で世の中の混沌を望んでおり、国家をそちらへ傾けようとしている向きがある。

窪塚 幸太郎(くぼづか こうたろう)1885年(明治19)生~
 大蔵省の官僚。久坂の知己を得て、軍人との交流を深めている。
 「上海海運公司」社長、王武伯の娘、時子(時蘭)と結婚するが、1910年に離婚。

窪塚 時子・王 時蘭(くぼづか ときこ・ワン ツーラン)1887(明治21)生~
 「上海海運公司」社長、王 武伯の一人娘。母は日本人。イギリスに留学中に窪塚幸太郎と結婚、1女をもうけるが、後に離婚。 窪塚幸太郎の企みにより窮地に追い込まれた時子は、残存勢力をひきつれて東北へ向かう。

伊藤 昴(いとう すばる)1884(明治17)生~1906(明治39)没
 翔の兄。1906年に家族が馬賊に襲われた際、弟と妻を守り、絶命。

伊藤 霞(いとう かすみ)1886(明治19)生~
 翔の兄・昴の妻。昴の死亡する2週間前に結婚した。翔と共に馬賊の村に連れ去られるが、文秀の計らいにより、単身北京で暮らすことになる。

梁 続山(リャン シウシャン)1870(同治9)生~ 1915(中華民国4)没
 中国・松河村生まれ(中国東北部)。正妻との間に3男、秋月との間に2男女がいる。1900年代に入り、日本人が彼らの土地を侵食するようになり、武装。現在は村の男たちを騎馬戦士に育て上げ、中国政府・日本軍を脅かすほどの存在となっている。人望もあり、付近の村々を束ねる一大勢力の統率者となっていたが、1915年、狂乱した伊藤翔に惨殺される。

梁 生高(リャン シャンカオ)1888(光緒14)生~
 続山の正妻の長男、同母の弟が二人、異母弟が文秀と美花。優秀だが寡黙で冷静、文秀とはお互いに対極の性格だがそれを補い合い、村の参謀の双璧を成している。1915年の翔の反乱で父と母・弟と文秀・チウと、美花以外の家族を惨殺される。生高は深手を負いつつ生き残るが、右腕を翔に切り落とされた。

梁 文秀(リャン ウェンショウ)1890(光緒16)生~1915(中華民国4)没
 続山の二男。第二妻秋月の息子であり、長男がいる以上は続山の跡継ぎにはなれないが、知性、人望、身体能力がずば抜けており、父の軍の元では参謀を務めている。母は秋月。日本語も話せる。美花は妹。
 翔の家族を当家の軍が強襲したときに、翔とその姉、霞を助け、7年ほどを家族のように過ごした。霞は村を追放されたが、文秀が北京に彼女の住む家を用意し、霞との間に男児が生まれた。1915年に文秀も翔に惨殺され、男児は父の顔を知らない。

秋月・才神 アキ(チウユエ・さいがみ あき)1870(明治3)生~1915(中華民国4)没
 山口県生まれ。幼いころに置屋に預けられ、上海へ。16歳の時に「湖南楼」をあずかり、再興させた。そこで続山に出会う。
 らくと輝也を拾い、湖南楼を任せられるまでに仕立て上げた。らくに店を引き継いで、チウは松河村へ移住。当家との間に文秀と美花をもうけた。
 文秀が翔をつれて帰ってきた後は、チウが母親代わりとなり、精神的な支えともなった。狂乱した翔に止めを刺そうとした銃口から翔を庇い、落命。
 
梁 美花(リャン メイホア)1907(光緒32)生~
 続山と秋月の長女。文秀とは母も一緒の兄妹。日本語と中国語を話し、翔にもよく懐いていた。



和泉 晴子(いずみ はるこ)1879(明治14)生~
 青森・名川の出身、川内村在住。旧姓梅内。行き倒れていた最上桔華を拾い、彼女が妊娠していることを知ると、自宅に滞在させ、出産まで面倒をみることとなった。夫・和葉は日露戦争に出征。家は呉服屋を営んでいる。和葉との間に2子もうけたが、いずれも流産。出産した桔華は赤ん坊を晴子に預け、姿を消したため、晴子はその子に「桔華」と名づけ、娘として育てることとなった。

柳 承俊(ユ スンジュン)1880(高宗17)年~ 
 北京で生まれ育った朝鮮人。友・才人の妹の病気を治すために、日本に留学し、医師になるための勉強をしている。
 1904年、下宿先で働いていた最上桔華と出会う。そこで清国の革命運動に参画した友人、才人を日本人に殺され、自らも民族自決のための運動に身を投じることを決意。桔華に引き留められるが、「この志を完遂して、またあなたに会いたい」と言い残し、大陸へ渡る。

周 一樹(チョウ イーシュウ)1880(光緒6)年~1904(明治37)年
 字は才人。清国官僚の父を持つが、戊戌の政変で両親を失う。父通しが友人だった承俊の家に、妹と共に引き取られる。医師になるために、承俊とともに仙台の医学専門学校に留学している。
 命の恩人である俊承の家族が殺されたことを知り、清国の革命運動に賛同。その表明記事を地元紙に発表したことで憲兵に逮捕され、銃殺された。

周 春陽(チョウ チュニャン)1885(光緒11)年~
 才人の妹。幼い頃から身体が弱く、ほとんど外に出られない生活をしている。不治の病に冒され、二十歳まで生きられないだろうと宣告されている。承俊が想いを寄せているらしい。

和泉 和葉(いずみ かずひろ)1874(明治9)生~
 晴子の夫。和泉は旧姓、会津の武家だが明治維新で斗南に転封、没落した和泉家は和葉を脇野沢村の千船という大宅に養子に出した。千船の家で晴子を嫁に迎えたが、二度の流産に両親と折り合いが悪くなり、和葉は晴子とともに川内に移住した。読書家で、家にはたくさんの雑誌や書物がある。1904年、日露戦争に出征。翌年、黒溝台で戦死。
 
菊池 兵衛(きくち ひょうえ)1874(明治9)生~
 和葉の親友。和葉出征後、独り身となった晴子のことを案じている。妻子持ち。

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2011/03/31(木)
from kanayano

「櫻花往生」へようこそ!

桜花往生只今作成中  

 初めまして。「櫻花往生」へようこそ。

 このお話は、kanayanoが高校生の時に高校総合文化祭地区大会で上演した戯曲をベースに、その時代に生きる人々を、六人の主人公の視点で追ったお話です。

 物語は、今から一世紀ほど前、明治35年の日本から始まります。
 明治維新を経て、世界に遅れた近代化を取り戻そうと、国家が総力を持って「近代」に押し進んだ時代。
 清国との戦争に勝利した日本は、列強が予想だにしなかった速さで「近代化」を推し進めていきました。
 
 舎人孝子、拓真の姉・弟は、陸軍将校の父を持つ、恵まれた家庭に生まれました。
 彼らの友人、北条古巻は、北条財閥の御曹司。

 同じころ、中国大陸では、満州に移住し、その後馬賊に家族を殺された少年、伊藤翔と、日本人の男子でありながら、女として育てられた吉岡輝也が出会います。
 
   そして日本人の母と、朝鮮人の父を持つ和泉桔華。
 いわれのない差別を受けながらも、明るく爛漫にふるまう彼女の人柄が、やがて歴史を動かす人々を導く光となります。

 昭和16年、日本は泥沼の中、アメリカをはじめとする連合国と最後の戦争を始めます。
 明治、大正、昭和の激動を生きる彼らと、彼らを取り巻く人間の愛憎の連鎖を通して、「kanayano版近代史」を紡ぎます。


※ ご注意 ※
・当作品は物語のモチーフを実在の事件、人物に依拠していますが、事実関係は一切ございません。
・一部に暴力、流血、性的表現を伴う記事がございます。記事冒頭に注意書きを添えてありますので、苦手な方は閲覧の際ご注意ください。
・ブログ内の作品、およびイラストの著作権はすべてkanayanoに帰属します。無断引用・転載は禁止します。ご利用希望の際は、必ず管理人までご一報をお願いします。


 
 それでは、読んでいただいた方に少しでも何か素敵なものを残せることを、願いつつ。
love. kanayano


 ■1、発芽―grow out― へとびます
※カテゴリは話数降順に並べておりますのでスクロールでご覧いただけます。

登場人物紹介へとびます
読者様から頂いたイラストへとびます

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2011/05/16(月)
from kanayano

【登場人物紹介】和泉桔華

登場人物紹介桔華

和泉 桔華(いずみ きっか)

1905(明治38)生~

青森、川内村生まれ。
第39代最上桜花と、中国系朝鮮人独立指導者柳俊承の娘。桜花が俊承と別れ、川内にたどり着き、そこで桔華を出産。そこで知り合った和泉晴子に娘を託し、川内を出た。
晴子は夫を日露戦争で亡くしており、女手一つで桜花の娘、桔華を育てる。晴子の家には、旦那や桜花滞在中に残した文芸書が豊富であり、桔華は幼いころからそれらに親しんで育つ。八戸の女学校を卒業後、歌道を志し、上京。そこで古巻らと出会い、実の母と知らぬ最上桜花の元で暮らすようになる。

晴子が実の母でないということ、自分に朝鮮人の血が流れているということを自覚しているが、そのことをとくに気に病んでいる様子はない。その生い立ちから周囲から何等かの差別を受けたことがあるようだが、それをいつまでも引きずっている様子もない。
秀英曰く、「桔華は強いね」。


【作者雑感】
「桜花往生」のザ・キングオブ主人公。が、連載100回を数えてようやく生まれたばかりという出し惜しみぶり。
本当は柳嘉一郎という名前の男であったけれど、演劇部に女性が多かったので、泣く泣く性別転換(脚本桜花は古巻と千鶴以外は悉く性別転換をした)。でも、結果的に成功だったかな。
作者には無い強さを持っている子で、最後までキャラクターを掴めないまま執筆していたのだけど、桔華を演じた役者さんの役作りに引っ張られ、今の形になった。(常にキラッ☆としているのは、桔華を演じた彼女の影響だ)
人間的弱みばかりの桜花登場人物の中ではほとんど裏表なく、拓真に肩を並べる最強キャラ。
コンセプトは「光」。セリーヌデュオンの「A New Day Has Come」、宇多田ヒカルの「光」が着想。 


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2012/03/09(金)
from kanayano

【登場人物紹介】桂木拓真

登場人物紹介拓真

桂木 拓真(かつらぎ たくま)

1904(明治37)生~

京都、三条に生まれる。
陸軍将校舎人耕三郎、妻朝重の長男。姉は孝子。
母は拓真が2歳の時に病死したため、孝子が姉であると同時に母親である。
星を見るのが好き。争い事が嫌いな穏やかな性格だが、10歳の時、自宅が炎上し、その中で命を狙われた拓真を姉が庇った。拓真は自分のせいで姉が死んだと誤認し、その重責から意識障害を起こし、それまでの記憶をすべて喪失した。
父、耕三郎の上官である白河川修に引き取られ、陸軍将校としての教育を受けることになる。
吉岡輝也は、白河川のところで共に育った兄にあたる。

輝也に出会ったときは記憶喪失の直後であり、言語能力も3歳児程度のものであった。輝也とともに過ごしながら、徐々に人間としての感性を取り戻していく。

【作者雑感】
脚本「桜花」の背景をエチュードするにあたり、一番初めに設定した。桔華と古巻を主軸に昭和を考えるに当たり、昭和と言えば軍人さんだろうという16歳の単純な発想から生まれた。「桔華の相棒」であり、主はあくまで桔華であったはずなのに、準主役にまで上り詰めたのは、作中でも見られるような「人を惹きつける彼の性格」によるものだと作者も思っている。アクが強い桜花のキャラクターの中の清涼剤的存在。気が付けばこの子を中心に物語が進行しているような……
コンセプトは「担い手」。いろんな人の想いを言って担う使命を背負って生まれた。倉木麻衣「Time after time」が彼(と彼の人生に深く食い込む二人の女性)の曲。
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2012/03/16(金)
from kanayano

【登場人物紹介】北条古巻

登場人物紹介古巻

北条 古巻(きたじょう こまき)

1904(明治37)年~

東京下町に生まれる。
父親は大正期に入り、財閥社長として名を馳せた北条古月。母親は篠。拓真と孝子は近所の幼馴染。
父親には最上桜花という不倫相手がおり、古巻は幼いころから快く思っていなかった。そんな折、母、篠が自殺。幼い古巻は、父親の希望により最上桜花に引き取られた。
桜花の元で読み書きを学び、その蔵書を読み漁る本の虫。古巻にとって桜花とは祖母である先代のことであり、父親の不倫相手である最上桜花のことは、その才能を認めているものの桜花として認めておらず、「先生」と呼んでいる。
講演や歌会、執筆活動に励む桜花の代わりに、家事や秘書的な役割を果たしたりする。

唯一の友人であった拓真と孝子は、10歳の時、目の前で燃え盛る舎人家と運命を共にしたと思っている。だがしかし――と心の底では思っているのかもしれない。

しっかりものではあるが夜中まで本を読みふけっているので昼時は本を片手に居眠りしていることが多く、桔華や秀英に額に「肉」と書かれる。
(実際舞台でやったら結構目立たなかったので役者さんにいろいろ頑張ってもらった)


【作者雑感】
脚本初稿から、ほぼ原形をとどめている数少ない子。もともと「桜花」の友人兼ライバルとしての位置づけで、主人公(そのときは嘉一郎と言った)が「桜花」を継ぐので、古巻は「菊花」を継ぐのだろうと思っていたのだけど、嘉一郎が性別転換をしたので「菊花」→「桔華」と流用。ついでに言うと、古巻に位置づけがひじょーに曖昧になり、上演後の講評で「このキャラ、必要?」と言われてしまい、主に作者の同情を買った。舞台上で唯一男が演じてくれたので、感想コーナーは彼へのラブコールであふれた(というか、この男の子が他校にも有名な人気者だったんだけど、作者的には「お前じゃ身長がたらねんじゃー!!」と思っていたごめんヒロシ)。
彼が長髪を結っているのは、秀英役の女の子が「古巻はしっぽ髪じゃなきゃヤダ!」と言ったから。作者的後付けは先代桜花に『結髪は武士の誇り』と言われたから(笑)

宇多田ヒカル「DEEP REVER」から想起。テーマカラーは青、濃紺。
「次代を繋ぐもの」であり、輝也と同じ「見届けるもの」。
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2012/03/23(金)
from kanayano

【登場人物紹介】舎人雄一郎(孝子)

登場人物紹介孝子

舎人 孝子・雄一郎(とねり こうこ・ゆういちろう)

1902(明治35)生~

 耕三郎と朝江の長女。拓真の姉。
 亡くなった母親に「長女として、父を助け、弟を立てなさい」と遺言され、それを愚直に守ろうとする。頑固な面を持っており、弟、拓真が「軍人ではなく 天文学者になりたい」と告白したときに、その願いを却下した。12歳の時、実家が原因不明の炎上。その中で北条家の使用人、檜山に命を狙われ、弟を庇って被弾する。一命を取り留めるが、弟・拓真への贖罪のため、軍人の道を歩む拓真と同じ道を選ぶ。女であることを隠し、帝国陸軍士官学校に入学した。
 吉岡輝也とは士官学校の同期。

 性格はクソ真面目で一本気、己の決断に盲目的に従うようなイノシシ型。「こうでなければならない」を意地でも貫かねばならないと思っており、それはたまに周囲の人を巻き込んで大変なことになったりする。女であることを隠して男として暮らしているので、周りに必要以上に付け込まれてはいけないと一匹狼を演じているが、演じているというよりはこれが彼女の本質なのかもしれない。

【作者雑感】
 昭和エチュードにあたり、桂木拓真の協力者として生まれた一人。
 が、気が付くと拓真のことが好きすぎていろいろと問題が生じ、揚句性別転換の上、拓真の姉にまでなってしまった。
 「男装する女性」が小さいころから大好きな作者がこの設定にエラく入れ込んでおり、いろんな大変なことや理想や現実や軋轢や容姿を叩きこまれ、作者に愛されれば愛されるほどに過酷な人生を歩まされている。気が付けば作者自身の人生の理想になりつつあり、彼女が出てくるととたんにキーボードを叩く速度が上がるという……
 川島芳子の存在は衝撃で、彼女がリアルに存在していたということに孝子の存在が確定されたのだけど、後々なんだかそれはちょっとちがうことに気が付いたので、あくまで「男装の麗人」という表現だけ借りることにしている。孝子はあくまで女性であることを隠し、参謀としての才能を発揮しながら軍の中枢に食い込んでいく。
 「風光る」のおセイちゃんの印象が徐々に強まってきた感じがある。オスカルは周りに女だと知られているけど、孝子はあくまで実力でのし上がるらしい。
 作者が思う究極のツンデレキャラを目指す(キリッ。

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2012/03/30(金)
from kanayano

【登場人物紹介】吉岡輝也

登場人物紹介輝也.

吉岡 輝也(よしおか こうや)

1902(明治35)生~

 黒澤修吾、吉岡らくの長男。幼少時、らくの暴力により、視力を失った。
 5歳のころから才神アキにより妓楽(唄詠、歌舞等)の英才教育を施され、上海・湖南楼の「看板娘」として日中双方の大物より寵愛を受けた。中国名は「仙輝煌」。湖南楼の得意客である梁文秀に片思いをしていた。時の民国政府と日本政府の裏取引の対価として来日。輝也は白河川修の下、陸軍士官としての教育を受けることになった。
 共に白河川の下で暮らすことになった桂木拓真の義兄。来日するまでは盲目で、常識や人間関係を築くことに長じていなかったが、拓真と暮らすうちに、徐々にそれらを身につけていくことになった。
 孝子とは陸軍幼年・士官学校の同期。孝子の正体を知る唯一の同期として、いろいろを世話を焼いている。(ちなみに孝子はそのことを知らない)

 元来の世話焼き。「面倒くさい」といいつつ、実際に面倒が起きることはもっと嫌なので、表に出る前に片づけてしまうタイプ。湖南楼を取り仕切ったのは母親が正気ではないと理解していた息子の姿であり、雄一郎を何かと庇うのは、それができるのは自分しかいないとわかっているから。裏工作が得意そう。
「家族」というものには敏感かもしれない。輝也のなかで家族とは拓真のことであり、母楽弥、父黒澤のことでは断じてない。父については(大人になってから一定の理解はするものの)それこそ「生理的に無理」な状態になっている。母親のことは救ってやりたいけれど、自分には何もできないことを理解しているので、結果的に母を救ってやれる人間の手助けをするという役に回っている。

【作者雑感】
なにがどうしてこうなったのか一番わからない子。
かすかに覚えているのは、「吉岡」はそのとき大河ドラマ「武蔵」に出てきた吉岡道場の名前から取った気がする。桔華・拓真軍営の対抗馬として敵キャラ筆頭だったはずが、今となっては、もはや作中無双状態の久坂廣枝に人知れず立ち向かっている唯一の頑張り屋さんになっているのはいったいなぜなんだろう。
「もともと女」の設定もどこから来たのやら。たぶんそのころ「人間と動物の違いが感情で、それは本能と結びつかないものだとしたら、その最たるものが『愛情』で、本能として異性を愛すること(直接生殖活動につながるもの)に限定されることはないんじゃないだろーか」みたいなことを考えていた時期があったので、たぶんそれに由来しているんじゃないだろうか。つまりね、「好き」の相手が同性でもいいじゃない、それがあなたの本心なら、みたいなのを人生で初めて真剣に考えて、肯定的に捉えていたのだと思う。いろんなものを見聞きした高校3年の時だ。
気が付けば「女として生まれて男として生きることを選んだ」孝子と、「男として生まれながらも、女として生きることを強要された」輝也という面白い対比ができて、桜花の世界観が二乗くらいの勢いでどーんと広がった、よーな気がする。

歴史を俯瞰して人間には3つの種類がいる。

1、時代を動かす人。
2、そのきっかけになる人。
3、それを見届ける人。

輝也は3。古巻と同じ、「見届けるもの」。
その人に与えられた役割は、その人間が好むと好まざるとには著しく関わらないと作者は思っている。

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2012/04/05(木)
from kanayano

【登場人物紹介】伊藤翔

登場人物紹介翔

伊藤 翔・梁 文山(いとう かける・リャン ウェンシャン)

1896(明治29)生~

 伊藤侯爵家、喜代治の二男。兄と妹がいる。5歳の時から長春に住んでいたが、10歳の時に梁続山率いる馬賊に襲われ、兄嫁以外の家族を惨殺されてしまった。翔と兄嫁は、馬賊の村に連れ去られ、翔は“文山”と名を与えられ、村の戦闘部隊として日本などと闘うようになった。当家に連れられて上海・湖南楼で吉岡輝也と知り合い、反発しあうも次第に打ち解けあう。1915年、狂乱した翔は村を統治していた当家一家5名を殺害。罪人として村の牢に監禁されている。

 口数が少なく、その割に行動力があるのでその存在に説得力がある(らしい)。幼いころからいろんなものを我慢して、いや、今自分がどうあるべきなのか、どうするのが最善なのかを考えて生きてきたので、自分の感情や意志を周りに押そうというところは少ないが、自分に課せられた責任は、非情な決断をしてでも機械的に遂行することも。

【作者雑感】
主人公ズの中では一番新しく、村上もとかの『龍ーRONー』にはまっていたときに「あたしも馬賊の頭領として満州の荒野を疾走したいでもあたし日本人だし!!」という葛藤が翔誕生につながりました。小日向白朗のことは、後で知りました。
「桜花」のお話を書いているのは女なので、拓真も輝也もたぶん「女から見た素敵な男性像」なんだけど、翔は男の思う男らしさ、女の思う男らしさの直線上に並べたら一番男性的な位置にいると思っている。男が異国で腕だけで一旗揚げるから。黙して語らず、その働きで人間を付き従わせるなんて、最高にダンディズムじゃない?と作者は思っている。
おかげで、大陸の馬賊、軍閥勢力のしくみだの機能だのに興味を持つようになったのだけど、国家の公式な存在ではないということ、今の時代に直接結びつくような事柄も関係するということ、そしてなにより外野からアプローチしにくく、資料もあまり残っていないなどの条件が重なって資料が潤沢とは言えず、とても歯がゆい思いをしております。

翔は、求愛(結婚を申し込まれるの意)されるならこんな男性がいいなあと思いながら書いています。
結婚するなら拓真、輝也は友人、宿禰青は恋人。
古巻が近くにいたら、小うるさい姑のようだと思う気がする。

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2012/04/29(日)
from kanayano

ちょっとだけ浮上


この人たちのことは飽きることも無く10年以上毎日毎日考えているのですが、
知れば知るほど、書けなくなります。
広がれば広がるほど、時代が下れば下るほど。
これは史実ではないのだから、作り話なのだから、少しぐらい人間離れしていたっていいだろうに、
いろんな資料に触れて、わたしがその時代にアクセスするときにその媒体となってくれるのが「彼ら」なので
どうしてもフィクションに抵抗があるのかもしれません。

なんてな!ただの怠惰だ!!!(開き直り)

私は今、イベント関係の仕事をしています。
高校生の時に演劇の地区大会で、この作品の原型「桜花往生」を上演した会場で、公演を開催することになりました。
その打ち合わせで担当が、
「kanayanoさんて、『桜花往生』のkanayanoさんだよね?」
と声をかけてくださいました。
私の本名は特徴があるので、名前ならまだしも、作品の名前まで憶えていてくださり、感涙。
ねえみんな聞いて!桜花の舞台を覚えていてくれる人がいたんだよ!
一緒に舞台を作ってくれてありがとう!いろいろあったけど、演劇部でみんなと一緒に舞台を作れて誇りに思う!

というわけで、もう少し頑張ろうと思いました。
改めて一から作り直したい… いやそれは一度書き終えてからの話だ
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